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2018.07.05
【イベントレポート】
丸の内アナリティクスバンビーノ#14
急成長するFoodtechの実態に迫る!
7月5日に開催された丸の内アナリティクス主催のイベント「バンビーノ」。
今回のテーマは「変わり続ける顧客接点!飲食業界の最新データ活用事例」ということで、
飲食業界におけるデータ活用の取り組みから分かったことを、ご登壇いただいた2社の代表者様の講演内容よりご紹介します。
常識を覆すビジネスモデルで飲食店経営を変える
高梨さんは、webディレクター、事業開発コンサルタントなどの職業を経て、現在は飲食店のデジタルマーケティング事業に取り組んでいらっしゃいます。
favyの運営する飲食店は、一般的な飲食店と比べると「異色」と言われるのだそうです。その理由は、「完全会員制」や「定額制」などといったサービス・料金システムを導入しているからです。
このことが、データ活用においてどんなメリットをもたらすのでしょうか。
それは、飲食店にとって大切な売り上げをアップするための「本当に使えるデータ」を取得できることです。
商品ごとの売上データに関しては、どこの飲食店でも割と簡単に入手できるのではないかと思います。しかし、この料理を食べたのはどんな人なのかという顧客データと、どうやってこの店を知り、行きたいと思ったのかという行動データを取得している飲食店はあまり見られないということが分かりました。
「だったらそれができる飲食店を作るしかない!」ということで誕生したのが、完全会員制・完全予約制の「焼かない肉料理専門店」『29ON』(にくおん)です。
会員制だから顧客データが取れる、web予約に特化しているから行動データが取得しやすいという仕組みは、非常に斬新かつ効果的だと思いました。
つまり「売り上げに関するデータ」と「お客様の認知・態度変容のタイミングが分かるデータ」が統合されている状態であれば、売上額が大きかった時の背景には何があったのか、その時のお客様の行動データと照らし合わせることで判断することができるということです。
データベースは単独ではなく、複数のデータベースを組み合わせて初めて「本当に使えるデータ」だということを学ばせていただきました。
「食×テクノロジー」で飲食業界にイノベーションを起こす
神谷さんはエンジニアでありながら、コンサル、データサイエンティスト、マーケターといった職種も経験され、現在は飲食店や小売店の売り上げ改善を目指したシステム開発などに取り組んでいらっしゃいます。
神谷さん曰く、飲食・小売業界において、データ分析の取り組みに対するモチベーションは、全体的に問題意識はありながらも、目の前にある課題を解決できていないという現状があるそうです。まずはデータと人が不足しているという課題に向けて、環境を整えていく必要があると感じられたとのこと。
例えば、データ不足の問題で言えば、どうしても売上データのみでは、「どんな人」が「どんな目的」で来店し、「そのメニューを注文したのか」まで分かりません。
売上データとアンケートの調査結果データを結びつければ、より有益な情報を得ることが可能になります。もしアンケートで得られたお客様の満足度の高さと、注文したメニューに相関性があれば、今後特定の商品をPRする戦略を立てることにもつながるというわけです。
このデータ施策を導入した結果、満足度が高かった人と低かった人とでは、リピート率の差が3割にも及ぶということも判明したそうです。
リノシス社では、このように独自のソフトウェアを用いて分析結果をビジュアル化し、売上改善のサポートをしているということでした。
その他にも、webクーポンごとにリピート率を可視化したり、メニュー表のレイアウトや位置が売上にどう影響するかなど、実験のように色々なことを試し、データを集めては分析する作業を繰り返し行っているということでした。
データサイエンティストとして、得たい結果(業績向上)のために根気強くデータを集める姿勢が大切だということを学ばせていただきました。
▲▲終了後にはいつも通り懇親会を。ゲストの神谷さんに乾杯の挨拶をお願いしました。
今後開催されるバンビーノでも、より興味深いテーマや企画で皆様にとって価値のあるものを提供できるよう努めてまいります。
これからもバンビーノをよろしくお願い致します。